僕は茶番センサーに昔から敏感だった。
というのも、なぜ正月に初詣にいくのかがわからない。
願ったところで、それを叶えてくれるような神は僕にはいない。
なのになぜみんなわざわざ正月に神社に出向き、お賽銭を投げて願掛けをするのであろうか。
新年の目標なら、心の中で整理すればいい。
わからない。
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同じようにおしゃれという概念がわからない。
肌に馴染む質感の動きやすいものを身につける。わかる。
自分がお気に入りのかっこいいと思うものを身につける。わかる。
流行をチェックして、いわゆるイケてるものを身につける。わからない。
TPOに合わせた服を身につける。わからない。
わからない。
わからない。
服は服だ。身につけてあったかければ、機能的であればそれでいい。
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爪も髪も伸びてから切ればいい。
その方が効率的だ。
なぜわざわざ同じ長さに保つ必要がある?
上司が怒る。僕を詰める。
全部茶番だ。
上司よ、お前の給料は別に僕を激詰めしても上がらない。
逆に僕がノルマを達成していないからと言ってお前の給料が下がることもない。
全てが茶番、そこに意味などない。
ノルマが達成できないのは僕の能力不足で、上司が怒ったところで僕の能力は上がらない。
わからない。
わからない。
わからない。
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茶番に意味があると気づいたのは最近だ。
世界は茶番で満ち溢れてて、茶番でできている。
意味のない初詣は、昨年の振り返りと新年への切り替え、リスタートを行う上でこんなに適した儀式はない。
おしゃれはコミュニケーションツールだ。
流行という共通の価値観。
自己表現。
他者への賛辞。
趣味、主義、思想にかかわらず共通の言語として機能している。
爪も髪も歯磨きも入浴も自分を清潔に保つ手段だ。
僕は自分をないがしろにしがちなのかもしれない。あるいは単にものぐさなのか。
自分に丁寧に、丁寧にコストをかける。自分を思いやる。
そうすると少し自分が好きになる。
生活と心に余裕ができる。
自分を保てる。
まだあの時の上司の劇詰めに意味があるかはわからないけど、いつかあれもわかる気がする。
きっと会社という部族を維持するために、あるいは上下関係のマウンティングのために必要だったんだろう。
もしくは本当に僕を変えようとしていたのかもしれない。
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全部が全部、わからない世界だけど思ったよりは悪くない。
だから僕は無駄毛を剃る。
自分に対するコストをかける。
社会に適応する大切な儀式。
そして僕は社会に溶け込む。
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除毛クリーム初めて買ったんだけど毛が結構太いのか全然除毛できひん。
かといってカミソリだとチクチクするし、ブラジリアンワックスだと痛いし。
誰かオススメのケア方法教えてクレメンス。